植物身辺帳

種植えて新芽出て伸び葉が茂り蕾が出来てついに花咲く

明道館

阪大の端っこに明道館という建物がある。

私がまだぴちぴちの新入生のころ、入学してまだ講義も始まってなかったその日、私は何かの用事で学校に行ってぶらぶらしたあと、3食か4食(生協の建物の3階と4階にそれぞれある食堂)に入って定食を食べた。窓の外に目をやると、古いコンクリートの建物があった。壁にはペンキで何やら字が書かれていて、異様な雰囲気を醸していた。

ここには近づかん方がええな、と思ったその建物が、それから7年もの長きに渡って私が世話になることになるその明道館であった。おかげで何年も留年した。

1階がコの字、2階がロの字型の2階建てで、写真部の部室はちょうどコの字の開いたところにある入り口を入って左、2階へ上がる階段のすぐ脇にあった。対称型で、反対側にも同じく階段があった。

その階段を上がると頼りなげな梯子があって、屋上に上がるにはそれを使う。高さが足りない分に別のものを紐で結んで継いであったような覚えがある。ゆらゆらと揺れて恐ろしかった。夜になると酔っ払った学生がウイスキーの瓶を器用に持って、そこを通って屋上で1杯やるのだ。上がっても生協のビルと森に囲まれているので、眺めとかいう話ではないが、それでも。

さすがに夜中は演らなかったが、音楽サークルは数々あって、昼間はいつも何かの演奏が聞こえていたように思う。何かの演奏と、あらゆる組織の喧騒と。

後に世話になった囲碁部もここにあった。

近づかん方がええな、と思ったところにいつのまにか入って、人生の短くない期間を過ごして、出た後で振り返ると、恵まれたところであったように思う。人々も皆何かしらの才能に恵まれていた。

なんやかんやあって結局、塗り直しが行われ、学生運動の名残のそのペンキも新しいペンキで覆われて、雰囲気は多少ソフィスティケーテッドですけど、今も待兼山の端っこにちゃんとある。

 

その当時、何かの集まりで先輩のカメラで私が撮った写真を別の先輩が冊子に載せてくれた。

それをまた別の先輩が先日飲んだときに渡してくれた。

懐かしい面々。


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